社協の相互支援強化 大災害に備え協定締結
台風12号の救援活動を教訓に、 県内の社会福祉協議会間の相互支援を強化しようと、 県社会福祉協議会 (会長=仁坂吉伸知事) と県内30市町村の社協は30日、 「災害時の相互支援協定」 を結んだ。 組織的に活動するため、 県内の社協を紀北・紀中・紀南の3つのブロックに分け、 ブロック内で各社協の規模に合わせた職員を確保するのが狙い。
協定は、 地震や風水害で大きな被害が発生し、 県社協災害救援本部が設置された時などに適用される。
協定内容は、 必要な物品、 資材と器材の貸与・提供▽各ブロックでの連絡体制の整備▽連絡調整など。 派遣された職員の業務として、 被災地支援のボランティアのコーディネート、 要援護者の実態把握、 福祉サービスの調整や提供など、 社協主体の災害ボランティアセンターの運営に重点を置いた。
この日、 和歌山市のホテルアバローム紀の国で締結式が行われた。 仁坂知事と、 市町村社協の代表、 美浜町社会福祉協議会会長の小竹敏夫さんは、 同協定を結び、 災害時に救援活動に取り組むことを誓った表明書にサインした。
仁坂知事は 「今後、 もっと広域な津波などが来れば、 受け取った物資をどう届けるとか、 人的なケアなど大きな仕事が出てくる。 ネットワークをより強固にし、 被害を受けた地域を円滑に助けたい」。 今回の台風で、 2市4町で最も多いボランティアを受け入れた新宮市社協の向井一雄会長は 「ボランティアセンターの運営は混迷を極めた。 今回の災害で住民のつながりや、 民間一体となった共働の取り組みが必要だと感じた。 有事の際に地域住民の支えになるよう取り組んでいきたい」 とあいさつした。
同会によると、 台風12号水害の被災地支援のため、 2市4町の災害ボランティアセンターで述べ2万5227人のボランティアを受け入れた。 そのうち、 県社協から282人、 市町村社協から1103人、 県外の近畿の社協から865人が派遣されたが、 各社協に人数は割り当てておらず、 派遣職員の数にばらつきが出たという。