前教授の現金受領確認 和歌山県立医大
県立医科大学 (和歌山市紀三井寺) の腎臓内科・血液浄化センターの前教授が、 同大が医師を派遣していた民間病院などから現金を受け取っていたとされる問題で、 同大は8日、 事実確認を含め全医局を対象に実施していた調査の結果を発表した。 前教授が民間医療機関から現金を受け取り、 公的寄付金受入機関に入金せず大学管理外の医局費として入金した事実は確認された。
大学内の基礎医学部門、 臨床医学部門、 紀北分院など37所属については、 寄付金の受け入れは確認されなかった。
同大学は、 民間医療機関の関係者ら13人に事情聴取を行った。 前教授が現金を受け取っていたとされる民間医療機関は複数あるとみられていたが、 一部の民間医療機関から協力が得られず、 今回の調査では一カ所のみ認められた。 同センターの医局費は、 院生の学会参加の旅費などに充てられているため、 同大は私的流用について否定している。
また、 平成10年4月から22年10月まで、 県内の医療機関が同センターの秘書の給与を支払っていたことも確認された。
同大は今後の対策として、 同大の医局会計の透明性を高め、 各所属スタッフを正確に把握するなどとしている。
同日、 板倉徹理事長は、 調査で確認された事例の関係者について、 大学内の教員の懲戒などを審議する 「教育研究審議会」 で処分するかどうかを検討するとし、 「発端となった事実が確認されたことは誠に残念で遺憾。 調査結果を真摯 (しんし) に受け止め、 今後の大学改革を進めていきたい」 とした。