減災、復興に重点 和歌山県来年度一般会計

 県は15日、平成24年度の当初予算案を発表した。一般会計は、前年度より321億円(5・9%)増え5748億円。東日本大震災を受けた防災・減災対策、台風12号被災地の復興事業、開催が迫る「紀の国わかやま国体」(平成27年)の施設整備など差し迫る課題にウエートを置いた一方で、収支不足額を前年並みの17億円に抑えた。一般会計は4年連続で増加、予算規模が5700億円を超えるのは13年度以来11年ぶり。予算案は、22日開会の県議会定例会に提出される。

 歳入は、 自主財源が前年度比108億円増の2231億円、 県税が11億円増の801億円、 県施設への自動販売機設置場所の貸し付けなどで諸収入は188億円増の1002億円を確保した。

 歳出は、 人件費が58億円減の1468億円など義務的経費が56億円減の2320億円と減少、防災減災対策に係る総点検関連に12億円増の13億円、国体関連に93億円増の122億円、台風12号被災地の早期復興事業に136億円など、政策的経費に377億円増の3428億円と積極的に予算措置した。

 歳出から歳入を引いた収支不足額は全ての事務事業を見直し、17億円にとどめた。県債管理基金を取り崩して充てる。

 東日本大震災を受けた対策では、各市町村の防災対策に補助金を交付する「まけるな和歌山パワーアップ」に2億円、新たな事業としては、災害時に市町村で情報収集を行うためのタブレット端末の整備などに1457万円を計上している。仁坂吉伸知事は「ことしは災害関係をずいぶん増やした。無駄遣いにならないようしていきたい」と話している。主な事業は次の通り。

【東海・東南海・南海地震等の大規模地震への備え】地震被害予測等の見直し(1億2738万円)中央防災会議を受けた県の被害想定や、地震・津波ハザードマップの作成▽住家被害認定士養成 (200万円)スムーズな被災者支援措置のため、県が独自に銃火被害認定士を養成

【福祉】児童虐待関連施設への緊急対応員の配置など相談体制の強化 (9917万円)

【がん診療体制の強化】がんに対する高度先進医療の推進など(3億6405万円)