故保田さんの遺志引き継ぎ 「竹房哀歌」完成
本紙にもたびたび登場し、 「やっさん」 と親しまれた紀の川市東大井の故・保田耕志さん (享年70)=元県ユネスコ連絡協議会名誉会長=が亡くなる2カ月前に本紙上で発表した、 紀の川であった転覆事故の追悼の詩 「竹房哀歌」 に、 このほど曲が付けられ、 追悼歌が完成した。 3月4日午前9時から、 同市西大井のビニールハウスを改造したステージ (市立打田中学校南西約500㍍) で発表される。
詩は、 約95年前に紀の川を渡っていた渡し船が転覆し、 女学生9人が命を落とした悲劇を忘れまいと、 生前の保田さんが残した。 作曲したのは同市西大井で農業を営みながら「農家村 あっぱれくん!」を設立し、音楽をメーンにした地域交流活動を行っている榎本猛さん(56)。JA紀の里 「めっけもん広場」のテーマソングなども作っている榎本さんに昨年12月、 保田さんの知人から声が掛かった。
まちの文献を読み返し、 当時をイメージしながら作曲。 静かに語り掛けるような哀愁漂うメロディーに仕上げた。 曲の完成を受けて榎本さんは 「昔から親しかった保田さんの詩で作曲できたことを喜ぶとともに、 多くの人に聴いてもらい水難事故がなくなることを祈ります」 と話している。 当日は同市を拠点に活動する歌手の宮本静さんも出演する。問い合わせは榎本さん(℡090・2384・6445)。