がれき受け入れの動き 和歌山市議会
東日本大震災の被災地のがれきについて、 和歌山市での受け入れを求める動きが市議会で進んでいることが分かった。 この動きに対し、 受け入れに反対する市民らが15、 16日に市議会を訪れ、 陳情書15通を和田秀教議長宛てに提出した。
市議らによると、 市議会では今週、 がれきの受け入れに向けた決議または意見書の提出を検討し、 各会派間で協議している。 がれきに含まれる放射性物質の安全性が協議の焦点だが、 意見の集約ができれば、 2月定例会最終日の22日に議員提案を行い、 本会議で審議する見通しという。
陳情書を提出したのは、 反原発運動に取り組む市民や被災地の支援活動家、 被災地からの避難者ら。 放射性物質の安全管理が不明瞭、 事前に市民の声を聞くべき、 などの理由から受け入れをしないよう求めている。
陳情を呼び掛けた松浦攸吉さん (70) =同市西庄=は 「放射性物質を全国に拡散すれば大変なことになる。 被災地で困っている人の受け入れに力を入れるなど、 支援の在り方を考え直してほしい」 と話している。
2000万㌧を超える被災地のがれきは、 国が被災地以外での広域処理を呼び掛けているが、 現時点で受け入れているのは東京都のみ。 15日には鳥取県米子市と静岡県島田市が受け入れを決定したが、 全国の自治体は難しい判断を迫られている。