統計開始以来最低 昨年の和歌山県への日帰り観光客
県がまとめた県内の平成23年の観光客動態調査によると、 宿泊客は過去10年で最低、 日帰り客は昭和47年の統計以来最低となった。 県観光振興課は 「東日本大震災や台風12号の風評被害の影響が大きく、 特に紀南地方を中心に観光客の減少が大きい」 と話している。
県内の観光客総数は、 前年比10・9%減の2761万7429人、 宿泊客は14・8%減の433万9469人、 日帰り客は10・1%減の2327万7960人だった。 外国人宿泊客は、 同40・4%減の8万338人。
主要観光地で最も打撃を受けたのは旧本宮町で、 宿泊客・日帰り客を合わせた観光客総数は前年比35・3%減の98万3132人だった。 登山を楽しむ山ガールのブームの影響で1・2月は女性の登山客も多かったが、 相次ぐ災害で、 熊野古道を歩く観光客などが減少したという。
那智勝浦町の観光客数は同21・7%減の115万5910人。 同震災が発生した3月以降、 減少したものの、 夏に向け回復傾向だったが、 台風12号でJR新宮駅から勝浦駅の線路が寸断されたことで、 東海方面からの客が減少。 JR紀勢本線の特急列車の本数も少なくなったため、 京阪神からの観光客にも影響が出たという。
和歌山市は、 紀南地方に比べると影響は少なく、 観光客総数は5・7%減の548万6119人だった。 市内最大の集客施設の一つ、 マリーナシティの来場者が、 同震災の津波の影響で、 キャンセルが相次ぎ大幅に減少。 また、 海沿いにある加太地区でも、 宿泊客が減ったという。
同課は 「県や市、 旅行会社、 JRなど官民一体となった復興への取り組みで、 昨年12月からは回復の兆しが見えている」 としている。