振り込め詐欺防ぐ きのくに信金に感謝状

 振り込め詐欺を未然に防いだとして和歌山西署(田村康雄署長)は8日、和歌山市内原のきのくに信用金庫紀三井寺支店の瀬戸利則支店長(53)と得意先係の中井一雄さん(51)に感謝状を贈った。田村署長は「金融機関は(詐欺を防ぐ)最後のとりでです。事前に抑止してもらい感謝しています」と述べた。

 先月16日、外回り担当だった中井さんが、同市紀三井寺在住の男性顧客(70代)から「息子が人妻を妊娠させてしまった。200万円を銀行から振り込む必要がある」と依頼を受けた。

 中井さんはいったん店舗に戻ったが、男性の切羽詰まった状態や話の内容から「振り込め詐欺の可能性がある」と判断し、瀬戸支店長と共に再び男性宅を訪問。息子が妊娠させたと信じ切っていた男性を約1時間説得し、被害を食い止めた。

 当初、男性は「だまされてもいいから振り込んでください」と懇願してきたという。瀬戸支店長は「人間、信じ込めばこんなに変わるものかと感じました。不審な電話があった場合は冷静になり、家族などに報告してほしいですね」、中井さんは「被害者は子どものことだから舞い上がってしまっていました。夫婦間で話し合うのではなく、他の人にも相談する必要がありますね」などと話した。