全国コンテストで2位 「紀州うめぶた」

 県産の梅酢を与えて育てたブタの肉 「紀州うめぶた」 が、 東京で開かれた食肉産業展 「銘柄ポーク好感度コンテスト」で、並みいる強豪を押しのけて初出品で優秀賞(2位)に輝いた。 得点は最優秀賞の 「みかわポーク」 (愛知県)とも僅差で、 県産のブタ肉が全国的にも 「良質な肉」 と太鼓判を押された形だ。 紀州うめぶたは県内外でブランドが確立している 「紀州うめどり」 の第2弾。 両ブランドの振興により県内畜産業界の活性化が期待されている。

 同コンテストは食肉関係者らでつくる食肉産業展実行委員会が主催し、 10回目。 全国のブランドブタ肉10点が出品され、 銘柄を伏せた状態で 「見た目」 「食感」 「食味」 の3項目で評価された。 紀州うめぶたは、 県内の養豚農家らでつくる 「紀州うめぶた協議会」から出品した。

 ブタには生後1カ月から、 塩分を抜いた県産の梅酢 「紀州梅そだち」 を飼料とともに与えている。 梅酢のクエン酸やポリフェノールなどの成分がブタの腸内環境を整え、 ストレスなどを軽減することで、 上質な肉質に仕上がるという。 作業もそれほど手間が掛からないため、 卸し価格で1割~1割5分程度の価格転嫁で済むという。

 現在の市場への出荷は週に20~30頭とまだ少なめ。 県内では、 和歌山市友田町の近鉄百貨店和歌山店で販売されている他、 各ホテルの料理に使用されている。 また、 大阪市北区梅田の阪神百貨店でも販売されている。

 同協議会の藤田哲夫会長(56)は 「マーケットで受け入れられれば、 畜産業界の活性化のため、 全ての農家に 『紀州うめぶた』 を広めたいですね」 と意気込んでいる。