役員改選問題で対立 和歌山県漁連

 県内25漁業協同組合で組織する県漁業協同組合連合会が揺れている。 4月25日に加盟13漁協が糠善次会長はじめ役員全員の改選を求める請求書を提出。 これに対し糠会長は18日、 改選請求に抗議を表明する記者会見を県庁で開き、 対立は深まっている。

 糠会長が和歌山市の加太漁協組合長を務めていた平成18年、 同漁協は仲買人の男性が所有する土地を相場の約3倍の価格で購入。 県は背任罪での告発も検討したが公訴時効が成立していることから断念し、 水産業協同組合法に基づき、 法令の遵守の確立などを求める必要措置命令を出した。 この問題を受けて、 糠会長ら同漁協の役員全員が、 昨年8月の臨時総会で解任されている。

 今回、 県漁連の役員改選請求を行った13漁協は、 「会長が加太漁協組合長を解任された経緯を鑑みれば、 自ら辞するべき」 としている。

 一方、 糠会長は会見で、 改選請求書には13漁協の押印がなく、 「形式的に極めてずさん」 と指摘。 改選請求が各組合の意志を反映しているか確認を求める文書を5月9日付で送付したと説明した。

 また同日、 糠会長は県漁連各理事に、 改選請求の取り扱いを議案とする理事会招集通知を出したが、 その直後、 県漁連監事が職権により臨時総会の招集を通知したという。

 臨時総会は21日に和歌山市内で開かれ、 役員改選請求が議案となる見通し。

 糠会長は臨時総会への出席について明言を避け、 「 (県漁連の) 自立再建について具体的な行動を行っている渦中の役員改選請求であることをご理解いただきたい」 と述べた。