岡公園の茶室、修繕完成祝う

 和歌山市岡山丁の岡公園内の茶室、 夜雨荘 (やうそう) と芦鶴庵 (ろかくあん) の修繕完成を記念し19日、 同所で 「お披露目茶会」 が開かれた。 茶を楽しんだ大橋建一市長は 「朽ちかけていた茶室が昔の趣を残しながらよみがえった。 和歌山の新しいスポットになる」 と完成を喜んだ。

 武家の屋敷内にあった夜雨荘の主茶室は、 4畳半と小さいながらも、 土壁の数カ所に四角い竹細工の格子窓が設けられており豪華。 芦鶴庵は、 故松下幸之助が寄贈した建物で、 大人数用に10畳の大茶室、 少人数用に4畳半の小茶室がある。

 この日は表千家同門会県支部と茶道裏千家淡交会和歌山支部の会員がお点前を披露。 初夏らしい白やピンク、 淡いグレーなど涼しげな着物に身を包んだ会員らは、 客に菓子を振る舞った。

 約450人の応募の中から選ばれた150人の一般参加者は 「こんな良いところで飲むお茶はひと味違うね」 などと談笑し、 優雅なひとときを楽しんでいた。 今後、 両茶室は一般向けに貸し出される他、 市の市民茶会などで使用される。

 表千家同門会県支部の小西敏文幹事(62)は「庭の雰囲気も良いし、 これから活用していきたいですね」と話していた。