工業高校と企業の人材育成サポート 和歌山県
「ものづくり立県」 を目指し、 県内の工業高校と企業が連携して行う人材育成の取り組みを県がサポートする 「わかやま産業を支える人づくりプロジェクト」 が、 今月から本格的にスタートした。 5つの県立工業高校を中心とした5地域で実施し、 企業から学校への講師派遣、 インターンシップなどの取り組みを通して将来的に若者の県内企業への就職を促進する。
県労働政策課の本年度新事業。 学校は和歌山工業、 紀北工業、 田辺工業、 箕島、 紀央館の5校。 企業は5月末現在約80社参加しており、 県は100~150社を目安に参加企業を増やしていく。
昨年度までは学校の各学科単位で企業と関わりを持ち、 企業見学会や説明会を開いてきたが、 プロジェクトでは5校の全学科が平等に企業との関わりが持てる体制を県がつくっていく。
主な取り組みは、 企業から学校への講師派遣▽生徒、 教員の企業での研修▽企業説明会などの3つ。 その他、 学校と企業の交流の場を設け、 積極的に意見交換していく。
和歌山市西浜の和歌山工業高校では6月中旬から8月にかけて、 土木科がGPS (全地球測位システム) を使った測量実習、 高速道路の現場見学、 機械電気科と化学技術科がオープンカンパニー (企業見学) などを予定している。
企業は求める人材の発掘、 ダイレクトな人材育成ができ、 生徒は就職後の業務内容や働きやすさなどを先輩社員に聞くことで関心を高められるなど、 双方にメリットがある。
同課の就業支援班長、 阪井加寿子さんは 「大企業に比べて情報発信が弱い地元中小企業は直接、 良さを伝え、 生徒の就職先の選択肢に入れば」 と期待している。