汀公園 和歌山市追悼法要に180人
和歌山大空襲から67年たった9日、 本年度の和歌山市戦災死者追悼法要が、 同市西汀丁の汀公園戦災死者供養塔前で行われた。 主催した市戦災遺族会 (八木良三理事長) の会員をはじめ約180人が参列し、 戦争の惨禍を二度と繰り返さないとの思いを新たにした。
同市は太平洋戦争中に米軍による十数回の空襲を受け、 約1400人が犠牲になった。 特に昭和20年7月9日から10日未明にかけての大空襲で市中心部は焼け野原となり、 火災や熱風から避難してきた人々が集まっていた汀公園では、 最も多い748人が亡くなっている。
法要で八木理事長(85)は 「今も戦火の凄惨(せいさん)な姿がまぶたに焼き付き、 悲痛の思いがする。 戦後の平和が尊い犠牲の上にあることを片時も忘れず、 戦争の教訓を語り継ぐことが遺族の使命だ」 と慰霊の言葉を述べた。
市立八幡台小、 野崎西小、 伏虎中、 和歌山大学付属中の4校の児童生徒は、 平和への祈りを込めた手作りの千羽鶴を奉納。 参列者は一人ひとり焼香し、 戦災死者の霊に鎮魂の祈りをささげた。
同大付属小の谷本実安梨さんら6年生4人は 「今の平和で豊かな生活は、 二度と戦争をしないという人々の願いがあるから。 戦争がどれだけ残酷で恐ろしいものかを伝えていかないといけない」 などと 「平和への願い」 を読み上げた。
大空襲当日、 九死に一生を得たという木下玲子さん(82)=布施屋=は 「悲惨な地獄の光景でした。 亡くしたたくさんの友達に毎年会いに来ています。 戦争は絶対にやってはいけません」と話していた。