加工用トマトが豊作 春から休耕地活用して栽培

 障害者雇用を増やそうと社会福祉法人一麦会が運営している「もぎたて農産加工所」(紀の川市平野)は、春から休耕地を活用して加工用トマトを栽培。現在、収穫が最盛期を迎えている。初年度は約3㌧の収穫を見込んでおり、同加工所の中原力哉さん(28)は「高齢化や人手不足など農業が抱える問題を少しでも解消し、地域貢献したい」と意気込んでいる。

 3月ごろに紀ノ川農協から「ハグルマのケチャップ用トマトを作ってみないか」と話が持ち掛けられた。

 畑は市内2カ所にあり、面積は1500平方㍍ほど。5人の障害者が関わり、4月から草刈りや耕作作業を開始。5月には桔交(きっこう)の苗1200株を定植した。

 初めての挑戦で、病気で40本ほどの苗が枯れたり、7月の豪雨で畑に水がたまってしまうなどの問題も発生したが、那賀振興局や地元農家の指導で解決し、豊作につながった。

 畑には丸々と育った赤いトマトが無数にできている。トマトの栽培に当初から関わっているという同市久留壁の清原邦夫さん(53)は「日々成長するトマトを見るのが楽しいので頑張っています」とにっこり。