今夏、和歌山県庁の節電18.5%

 関西電力管内の節電要請期間(7月2日~9月7日)の取り組みについて県は11日、県庁内の電力量を平成22年比18・5%削減したと発表した。当初目標の15%を達成し、昨年の節電率13・1%も大きく上回った。仁坂吉伸知事が定例記者会見で明らかにし、「皆さんの協力のおかげで大変な節電ができた。まだ危機が去ったわけではないが、この夏は乗り越えた」と述べた。

 県は今夏の節電期間中、庁内では冷房設備の一日3時間停止、廊下の照明の70%以上消灯、一部エレベーターの運転停止などの対策を実行。商工業団体などを通じて事業者約900団体にも協力を呼び掛けてきた。

 外出を促すことで家庭の節電につなげるため、県立施設4カ所で平日の料金を半額にするキャンペーンを実施。紀伊風土記の丘と自然博物館で7~8月の入館者数が昨年を上回った。17事業者も協力し、割引サービスなども行われた。

 関西電力の発表によると、今夏の最大電力はおととしに比べて11%減少し、業種別の減少率は家庭用が9%、業務用が11%、産業用が12%。

 県が事業者に行ったヒアリングでは、エアコンの温度設定、稼働時間の短縮▽照明の間引き▽使用機器の台数制限▽クールビズ対応▽節電担当者の設置などが主な取り組みとして挙がった。

 今夏の電力需給に大飯原発の再稼働は必要なかったとする見方について仁坂知事は「結果論からはそう見えるが、(電力不足の)リスクはあった。いらなかったというのは後付けの話ではないか。皆さんが危機感を持って節電を考えてくれて、うまくいってよかったと言うべき」と述べた。