まんが甲子園で大健闘 近大付属高

 近大付属和歌山中・高校、漫画研究同好会(部員26人)の高校生5人が先月、高知市文化プラザ「かるぽーと」で開かれた第21回全国高校漫画選手権大会「まんが甲子園」(高知県など主催)に4年ぶり2回目の出場を果たした。5時間半の制限時間でテーマに沿ったイラストを描き上げる大会。6月の予選で全国296校中30校に選ばれ、本戦に進出。本戦では入賞は逃したものの、敗者復活戦で劇的に返り咲き、決勝戦に駒を進める健闘を見せた。

 大会に出場したのは、原田恵理奈さん(3年)、中村優介君(2年)、辻茉衣子さん(同)、佐藤静香さん(同)、中西晴菜さん(同)。

 大会は2日間で開かれ、初日に第1次競技、2日目に決勝戦を実施。テーマは事前に通知された5つの中から、競技当日に発表される。第1次競技、敗者復活戦を勝ち抜いた20校が決勝戦に進出する。

 第1次競技のテーマは「アイドル」。同会はステージ上の政治家が声援を浴びている絵に「次の曲は日本再生」と書いたが落選。まとめ役の原田さんは「自信作だっただけにみんなのショックは大きかった。気持ちを盛り上げるように配慮した」、佐藤さんは「会場の迫力はすごかったが、その中で自分にできることを精いっぱいしようと心掛けた」と振り返る。

 敗者復活戦は宿泊先で行われ、テーマは「非常用〇〇」、締め切りは午前0時。眠気や疲れと戦いながら、「防災の日」に買い物をする客と政治家を描いた。2日目に一般投票を行い、見事決勝に進んだ。

 決勝戦のテーマは「まんが県」。作品は事前に考えていたものではなく練り直したが、惜しくも敗退した。中村君は「出場したことでスカウトもしてもらい、いい経験になった。漫画家への夢に一歩近づいた」、辻さんは「中学生の時、先輩の出場を見て憧れていた。賞を逃したのは残念だけど、このメンバーで行けてよかった」と笑顔で話していた。

 同会はクラブ設立に向けて取り組んでおり、中西さんは「みんなの力で行けた。この経験を後輩に伝えることで、次につなげていけたら」と話している。