脱法ハーブ販売に誓約書義務付け 和歌山県が全国初の条例案

 麻薬に似た幻覚症状などを引き起こす「脱法ハーブ」の濫用防止のため、県は独自の条例制定を検討している。用途をお香やアロマなどと称して法規制を逃れている実態から、知事監視製品を指定し、販売業者と購入者に使用方法などについて書面の作成を義務づける全国初の内容。16日の定例記者会見で仁坂吉伸知事が明らかにした。

 条例案では、精神作用や身体に使用される恐れがある商品を「知事監視製品」に指定し、販売業者には使用方法説明書の交付や購入者が提出した誓約書の保存などを義務づける。違反業者には罰金を科し、購入者も違反すれば過料となる。インターネットや県外店舗での購入者も対象としている。

 さらに、薬事法で指定前の成分を県が指定し、同法指定薬物とともに、所持者に廃棄義務を課す独自の規制も行う。

 知事監視製品、知事指定薬物は、有識者による県薬物検討審査会(仮称)に意見を求めて決める。

 仁坂知事は「現行法制の弱点を補い、言い逃れをさせない制度を考えた」と話している。

 条例案は17~31日にパブリックコメントを行い、12月議会で成立を目指す。