松江地区に総理表彰 児童見守り活動評価
犯罪に強い社会の実現に向けた取り組みなどが評価され、 和歌山市松江地区連合自治会が主体の 「松江地区お帰りパトロール隊」(代表・川崎敏弘連合自治会長)が 「安全・安心なまちづくり関係功労者」 として内閣総理大臣表彰を受けた。 11日に総理大臣官邸で式典が行われ、 全国10団体が野田佳彦首相から表彰された。 川崎代表(74)は「大変感激している。 隊員全員でもらった表彰。うれしい」と喜びを語った。
パトロール隊は、 川崎代表と連合自治会副会長の打田親秀さん(74)、 背山三郎さん(72)、 松本一孝さん(77)、 井本武俊さん(74)らを中心に、 654人の隊員がいる。 防災行政無線での下校の知らせを受け、 交代で毎日30~40人が通学路に立つ。 小学校から遠い地域などでは、 自転車を活用した見守り活動を行い、 くまなく子どもの安全に気を配っている。
同隊は、 全国的に子どもの犯罪被害が相次ぐ中、 平成16年4月に 「事件が起こらないうちに」 と、 和歌山北署の打診を受けて発足。 当初、 「うちは子どもも孫もいてへん」 「それは警察や学校のPTAの仕事や」 などの批判や苦情があったが、 粘り強く説得し、 地域内22地区のうちの約半数の地区から隊員が集まり出発式を行った。 同8月には、 当初協力を拒んだ地区も含め、 全地区が参加し、 隊員数は800人に及んだ。
川崎代表は 「安全対策だけでなく、 パトロールを始めてから中学生の非行が目に見えて減った」 といい、 住民たちの、 それぞれが隊員であるという意識の高まりの結果、 子どもの素行を注意したり、 声掛けをするようになったことを理由に挙げる。
また 「最初は黙って通り過ぎていた子どもが、 自ら元気にあいさつするようになった」と、パトロールによって地域が明るくなったと話す。
パトロール隊ができた年に小学1年生だった子どもが、ちょうど中学を卒業したことしの春、川崎代表は地元中学の卒業式に出席した。「地域で共に育てた子ども。丸い子どもが育った」と、式が始まる前から感極まっていたという。「隊員に支えられての今までの取り組みが評価された。今後は継続することが課題」と、川崎代表らは今後もさらなる活動を続ける。