マッチ棒11万本で「熊野那智大社」
マッチ棒を使って歴史的建造物を表現している紀の川市藤崎の花田安雄さん (74) が、 約11万本を使った大作 「熊野那智大社」 を完成させた。 21日に同神社に奉納する。 マッチの使用数は昨年完成した 「熊野速玉神社」 を上回り、 過去最多。 花田さんは 「これだけ大きい作品は二度と作れない。 苦労を乗り越えて完成した時は感動的だった」 と話している。
花田さんはこれまでに30点以上の作品を手掛けている。 通常の作品は約2~4カ月で完成するが、 今回の作品に費やした時間は約13カ月。 一日10~15時間作業に没頭した。 夏には猛暑で熱中症になり体調を崩したが、 奉納の時期に合わせて年内に完成させようと作業を進めてきた。
作業を始めるに当たり、 花田さんは熊野那智大社を訪れ、 150枚もの写真を撮影。 同神社の配置などを記した図面と一緒に参考にしながら、 作品を仕上げた。 完成した作品は幅2㍍20㌢、 奥行き1㍍70㌢、 高さ53㌢。 火薬部分を取ったマッチ棒を木工ボンドで組み立てた。
完成までの苦労も絶えなかった。 2㍍20㌢に収まるように寸法を計ったり、 建物の屋根のこう配を調整することが大変だったという。
花田さんは 「自分にここまでやるだけの才能があるとは思っていなかった。 これからも作品は作っていく」 と笑顔で話している。