養殖魚の専門料理店 近大が来春大阪に出店
近畿大学(大阪府東大阪市、 世耕弘成理事長)は来年4月下旬、 白浜など全国8カ所の水産研究所で育てた養殖魚の専門料理店 「近大卒の魚と紀州の恵み 近畿大学水産研究所」 を、 JR大阪駅北側にある 「うめきた・グランフロント大阪」 の中核施設 「ナレッジキャピタル」 に出店する。 大学直営の料理店は日本初。
店はナレッジキャピタル6階 「健康と食のフロア」 に開設予定。 同大が世界で初めて完全養殖に成功した「近大マグロ」 (クロマグロ)をはじめ、 ヒラメやカンパチ、 シマアジなどの養殖魚を提供。 全国でも例を見ない養殖魚専門の料理店となる。
魚類以外の食材も県の協力で県産品を使い、 紀州の食の恵みを広める。 今後は東京の中心街への出店も計画している。 店舗の運営はサントリーグループがサポートする。
大阪市内で記者会見した世耕理事長は、 「 『近大マグロを一度食べてみたいが、 どこで食べられるのか』 とよく聞かれる。 皆さんの希望に応えたいし、 天然物に負けないくらいおいしいということを知っていただきたい。 養殖魚は食べているものがはっきりしているので安心、 安全です」 とその良さをアピール。 「研究成果を料理として提供するだけではなく、 地元食材を活用してまちおこしにもつなげたい。 大学なので教育、 研究の場としての役割も持たせたい」 と述べた。
同店をサポートするサントリービア&スピリッツ㈱の大槻正人市場開発部長は、 「養殖魚の魅力や研究成果を消費者に直接、 情報発信したいという近畿大学の挑戦に共感しました」、 ㈱ダイナミックの若杉和正社長は 「堅い店名に反して店はカジュアルなバル形式で、 気軽に利用できる雰囲気に仕上げました」 と話していた。
「うめきた」は、JR大阪駅の北側に広がる24万平方㍍の再開発エリアで、「グランフロント大阪」 はその東側部分の駅前複合施設。オフィス、ホテル、分譲住宅、ナレッジキャピタル(来春開業予定)などで構成されている。