朝原コーチが指導 いわでアスリートクラブ

 北京五輪の陸上男子四百㍍リレーで銅メダルに輝いた大阪ガス㈱陸上部の朝原宣治コーチが主宰するスポーツクラブ 「NOBY T&F CLUB(ノビィ・トラック&フィールド クラブ)」 の特別講習会が19日、 岩出市の大宮緑地総合運動公園で開かれ、 いわでアスリートクラブ(西口政雄会長)の約150人が、 いろんな動きを活用した 「コオーディネーショントレーニング」 に挑戦した。 朝原コーチは、 自らの体験をもとに、 夢を持ち実現に向かって、 日々一生懸命頑張る大切さを訴え、 子どもたちへのエールとした。

 特別講習会は、 岩出市教育委員会と大阪ガス㈱の共催で、 朝原コーチと共に、 アテネ五輪の男子千六百㍍リレーで4位と健闘した同社の山口有希コーチも来訪した。

 開会で西口会長が 「中芝正幸市長が皆さんに、 朝原コーチの特別講習会というお年玉をくれた。 耳と目と心でしっかり学び、 何か一つできるようになってほしい」 とあいさつ。 練習を前に子どもたちの 「お願いします」 という元気な声がグラウンドに響いた。

 朝原、 山口両コーチと一緒にウォーミングアップで体を温めた後は、 屈伸や膝回し、 上半身ストレッチなど準備体操の他、 片足バランスをはじめ、 ジャンプして大の字をつくったり、 2人組で馬跳びや股くぐりのメニューもあった。 子どもたちは、 体も心もリラックスムードで、 手本を示す両コーチを囲んで、 笑顔があふれていた。

 多様な動きに挑戦し、 脳と神経回路を刺激することでスポーツにかかわる能力を向上させると言われるコオーディネーショントレーニングは、 準備体操の中にも組み入れられていたが、 全身を使ったアヒルや馬の走り方のほかギャロップ、 高く足を上げるスキップなども引き続き行われ、 朝原コーチのアドバイスに、 子どもたちは楽しみながら積極的にチャレンジしていた。

 お待ちかねのランニングでは、 スラローム走やサイドステップ走に続き、 10チームに分かれてのリレーで締めくくった。

 子どもたちとのQ&Aでは 「どうすれば速く走れるのですか」 や 「子どものころから陸上をやっていたのですか」 の質問に、 朝原コーチは 「速く走る方法は決まっている。 大きな歩幅と速い足の回転が必要だが、 これをできるのが金メダリストのボルトだ。 彼の1歩は2㍍80㌢あり、 1秒間に4・6歩進む。 皆さんはいろんな走り方を学ぶだけでなく、 栄養を取り食事をちゃんと食べることが大切」 とし 「小学生の時はエレクトーンと書道、 中学生でハンドボール部だった。 最初はみたらし団子屋さん、 次は外国で仕事がしたかったが、 その内に段々走るのが速くなり陸上選手で五輪を目指すようになった。 夢を持ち、 やりたいことを日々一生懸命することを忘れないでほしい」 と激励。

 カール・ルイスにあこがれて五輪を目指したという山口コーチは 「無理だと言われる大きな目標を実現するには、 人一倍の努力が必要だが、 その結果アテネ五輪に出場できた。 皆さんの成長が楽しみ」 と期待を込めた。  参加した山崎北小6年の清水健志君は 「テレビに出ている人と練習ができ、 いい体験ができた。 リレーが1番楽しかったけど、 動物やいろんな走り方は勉強になった」 と充実感たっぷりだった。