阪本商会会長が自叙伝出版 母校城東中で講演

 建設機械の修理販売、 レンタルなどを手掛ける㈱阪本商会 (本社=大阪市) の阪本晴彦会長 (69) =県出身=が自叙伝 『おんしゃがはるひこか七つの命を授かって生き抜いた険道』 を自費出版し、 23日、 母校の城東中学校 (和歌山市美園町) で講演した。 1、 2年生約180人が阪本会長の波瀾 (はらん) 万丈な人生で得た精神力や、 次世代を担う若者への熱いメッセージに耳を傾けた。

 阪本会長は、 昭和18年に10人きょうだいの末っ子として誕生。 自宅は和歌山市畑屋敷葛屋丁にあったが、 一家で疎開していた現紀美野町で生まれた。 母親が11カ月の時に亡くなったため、 きょうだいに育てられた。
 貧しい生活の中で 「一生懸命働いて金持ちになってやる」 と、 中学時代は午前4時から市場でバイトをし、 卒業後は大阪で奉公人として懸命に働いた。 阪本会長は 「奉公に出たことが、 将来、 おっちゃんの根性につながった」 とし、 18歳の 時に車を買って「白タク」 の運転手をしたこと、 ポンプ機械のリース業を始め、 次第に事業を拡大してきたことを話した。

 また 「日本の将来を思えば、 若い人たちの成長を見守るのも私たちの役目。 生きるヒントになれば」 とし、 ビジョンを描き、 実現に向けた努力と経験が自分を成長させる▽生き方にポリシーを持てばどんな時も前向きに人生を歩けるなどと、 生徒らにエールを送った。

 2年3組の吉田勇大さん (14) は 「心細いこともたくさんあったと思う。 その中で努力したことはすごい。 自分も将来のビジョンを持って歩んでいきたい」、 阪本会長は 「戦後の日本経済社会に飛び込み、 阪本商会の看板を背負い走り続けてこられたのは、 いくつもの出会いや喜び、 達成感、 感動があったから。 支えてくれた人たちに感謝し、 今後も精進していく」 と話していた。

 本は宮脇書店和歌山ロイネット店で販売。 同社ホームページ (http://www.sakamoto-shokai.co.jp) からも購入できる。 定価1400円 (税別)。 問い合わせは同社 (℡06・6562・7657)。

 

自叙伝を手に笑顔の阪本会長