県警が防犯カメラ18台増設 アロチ

 県警は本年度から3年計画で、犯罪の起きにくい社会づくり推進事業を実施。街灯防犯カメラを増設し、犯罪抑止を図っている。本年度は事業費1750万円を使い、和歌山市の繁華街「アロチ」の9カ所に18台設置し、運用開始した。

 アロチ地区は傷害や窃盗などの犯罪が多発している地域。これまでも畑屋敷から北ノ新地までの両交差点の間に6台のカメラを設置し、平成21年9月に運用開始していた。暴力団組員の傷害事件検挙につながる証拠映像が撮影されていたこともあった。

 本年度の増設分と合わせ、県警が設置した市内の防犯カメラはJR和歌山駅西口付近に7台、紀三井寺地区に5台、アロチ地区に24台の計36台になった。生活安全企画課は「平成27年には和歌山国体もあるので、選手や観客らが来県した際、安全に安心して楽しめる繁華街になるように犯罪抑止効果を期待している」と話している。

【来年度は映像解析、科学技術活用し強化】

 県警は来年度、防犯カメラなどの画像データを有効活用するシステムを構築し、捜査力の向上を図る。予算は1657万円。

 内容は、画像の鮮明化処理ソフト▽複数の防犯カメラ画像から特定の人物を抽出する「顔画像照合検索システム」▽3D作成した犯人画像と防犯カメラの画像が同一人物かを識別する「三次元画像解析ソフト」のシステム構築で、立証力の向上や解析期間の短縮により、これまで1~2週間かかっていた初動捜査を数日で行うことを目指すという。