3年連続ほぼ100% 和大観光学部の就職率
長引く景気低迷により厳しい大学生の就職状況が続く中、 和歌山市栄谷の和歌山大学観光学部では、 就職希望者の就職率がことし3月卒業生を含め、 3年連続ほぼ100%と高い数字を保っている。 その要因には、 企業が求める明るく活発な学生とのマッチやきめ細かい就職支援があるようだ。
キャリアセンター観光学部によると、 本年度の就職先は観光業、 流通業がともに約2割、 金融業とサービス業がともに1割など、 学部生は観光業のみにとらわれず幅広い業種で就職先を決めているという。 ある金融関係の採用者は同学部生に関し 「明るくてコミュニケーション能力が高い学生が多い」 などと人柄を高く評価。 昨年10月に大手出版社がまとめた国公私立大全国就職率ランキングでは、 文系で全国9位、 近畿1位に輝くなど実績を残している。
同学部の講義は、 他学部に比べて地域に出て学ぶフィールドワークが充実。 地域の課題などを考えるうちに 「地域を何とかしたい」 との意欲が芽生え、 社会性の成長とともにコニュニケーション能力も育つという。 また、 同センター職員が中心になり、 2、 3回生にわたり2年間のキャリアデザイン教育の実施や、 全学部生を対象にした全員面談など、 就職活動の意欲を高める仕組みを実践しているという。
キャリアセンター観光学部の吉浦昌子特任助教 (55) は 「今後も学生の意識を高めて幅広い業界から求められる人材を育てていきたい」 と話している。