真道ゴー選手「まだ実感湧かない」
県内初のボクシング世界チャンピオンが誕生した。 「WBC女子世界フライ級タイトルマッチ(10R)」 が19日、 和歌山市の和歌山ビッグウエーブで行われ、 挑戦者の真道ゴー選手(25)=同市出身、 クラトキジム=がチャンピオンのレナタ・セベレディ選手(19)=ハンガリー=を激闘の末に判定で下し、 チャンピオンのベルトを手にした。 県内ジム所属選手の世界チャンピオンは、 男女全階級で初めて。
試合は予想通り、 1R(ラウンド)から、 スピードとテクニックで勝る真道選手と、 打たれても前に前に出るレナタ選手の打ち合いになった。
3Rが経過すると、 サウスポー対策として真道選手が徹底的に体にたたき込んだ右ボディーの攻めが次第に効き始める。 6Rでは、 真道選手がレナタ選手をコーナーに追い詰めラッシュを仕掛け、 KOを狙いにいくもゴングに阻まれた。
7R以降は両者ともに疲れを見せ始めたが、 9、 10Rでもラッシュで攻めの姿勢を崩さなかった真道選手に軍配が上がった。
試合後の勝利者インタビューでは 「ボディーから攻めたことで自分のボクシングができました。 本当にボクシングと出合えてよかった」 と喜びを爆発させた。 大阪市から真道選手の応援に駆け付けたという高岡和徳さん(27)は 「レベルの高さに驚きました。 これから防衛を続けてほしいですね」 と話していた。
試合から一夜明けた20日朝、 真道選手は日頃世話になっている人たちにあいさつ回り。 本紙の取材に 「昨夜は興奮していたのか、 なかなか寝つけなかった。 まだベルトが手元にないので実感が湧かないが、 ほっとしている」 と話し、 「観客の声援が忘れられない。 みんなの前で勝つぞという気持ちになった。 レナタ選手との9ラウンドの打ち合いが印象的。 昨晩は、 家族や友達など身近な人たちと祝賀会をした」 と振り返った。
1週間ほど練習は休み、 温泉に漬かってゆっくりしたいといい、 「自分はまだまだと痛感した。 もっともっとレベルアップを目指す」 と、 力強くさらなる飛躍を誓った。
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真道選手と市内で一緒に住んでいる女性マネジャー(29) 最初に 「お疲れさま。 おめでとう」 と声を掛けた。 朝も夜も付きっきりで練習を見てきた。 とにかくうれしい。
クラトキジムの原田哲也会長(68) 今まで世界チャンピオンを育てることが夢だった。 和歌山の皆さんに元気を与えられたと思う。