風疹ワクチン接種を助成 和歌山県が新制度

 風疹患者の増加を受けて県は21日、妊娠を希望する19~49歳の女性と妊婦の夫を対象に、ワクチン接種費用の約半額に当たる5000円を助成する制度を始めると発表した。ワクチン接種の助成は7都府県が実施中か実施を決めているが、助成率は半額としている東京都と並ぶ最も高い水準となる。

 妊婦が風疹に感染すると、胎児に発達の遅れなどが起こる「先天性風疹症候群」の可能性がある。

 県は各市町村に対して県と同様の助成の上乗せを呼び掛けており、市町村が応じれば、ワクチン接種が全額公費でできることになる。

 対象の19~49歳の女性と妊婦の夫は合わせて最大約18万人と見られ、県は予算約9億円を6月県議会に上程する予定。予算成立後、今月21日までさかのぼって助成を適用する。

 助成には市町村から接種券の交付を受けるなどの手続きがあるが、交付前に摂取した人も領収書などの書類があれば後日申請できる。

 仁坂吉伸知事は「待つ必要はないので、すぐにでも接種を受けに行ってほしい」と話した。

 県内で届け出があった風疹の患者数は、昨年の10人に対し、ことしは20日現在で62人(男49人、女13人)となっている。