「復旧」から「復興」へ 南紀のゆるキャラなどPR

 前号に続き、紀伊半島大水害からの復興に関する取り組みを紹介する。

 8月24、25日の両日、県南部の観光協会や団体が中心となり関西国際空港で行われた「関空夏まつり」に出店。「わかやま南紀フェア」と題したブースでは、アユの塩焼き(白浜町日置)、イノブタの串焼き(すさみ町)、龍神のかき氷(田辺市龍神)、紀州うめどりの唐揚げ(田辺市)の販売や、観光パンフレットの配布、旅行相談を実施。お昼どきは長蛇の列ができ完売が続出するほどの人気だった。

 また、ブース前の特設ステージでは「南紀おやじバンドスペシャルライブ」や「南紀熊野ゆるキャラオンステージ」を開催。「南紀熊野ゆるキャラオンステージ」には、「うめっぴ」「イノブータン大王」「だるだる」「ほっとちゃん」が参加。それぞれ、「JA紀南は本州で一番太陽に近い農協で特産物もたくさん(うめっぴ)」、「すさみ町特産のイノブタを食べに来て(イノブータン大王)」、「伝説・民話・妖怪を熊野の地域資源としてPRしています(だるだる)」、「龍神温泉でみんなほっとして(ほっとちゃん)」などとメッセージを発信。

 「だるだる」が熊野に伝わる妖怪「ヒダル神」であることや、「ほっとちゃん」は龍をイメージし首には温泉手ぬぐいをかけているなど、ゆるキャラが所属する観光協会や団体の担当者による誕生秘話の紹介もあった。プレゼントクイズでは県内の特産品が配られ好評。30分のステージの端々で、復興に向け頑張る和歌山を発信していた。

 紀伊半島大水害における公共土木施設の復旧は94・5%(昨年度末)であるが、あくまで「復旧」。「復旧」から「復興」へ。元のにぎわいを取り戻すと同時にパワーアップした和歌山の発信が求められている。 (次田尚弘/和歌山)