東京五輪 和歌山でも歓喜の声

 現地時間7日の国際オリンピック委員会(IOC)総会=アルゼンチン・ブエノスアイレス=で2020年夏季五輪・パラリンピックの開催都市が東京に決まり、県内のスポーツ関係者からも歓喜の声が上がった。8日の総会では東京五輪で実施する残り1枠の競技にレスリングが決定、日々練習に汗を流す高校生たちも喜びを爆発させた。

 県からは体操女子の田中理恵選手(26)が現地での招致活動に参加。田中選手の父・章二さん(63)は「東京に決まってうれしい。東日本大震災などの不幸事があった日本だが、これをきっかけに変わると思う」とし、「日本のスポーツの底上げにつながるはず」と話した。

 存続競技がレスリングに決まり、県立和歌山北高校(和歌山市市小路)のレスリング部は喜び爆発。

 主将で6月のアジア大会で銅メダルを獲得した石谷公希君(18)は「うれしい気持ちでいっぱい。練習も一層頑張って大学でも続けたい」と話していた。

 存続に向けた動きは県内でも展開されてきた。県レスリング協会は、和歌山駅周辺で署名活動に取り組んだ。同部顧問で、同協会常任理事の森下浩さん(41)は「存続が決まって助かった。選手たちが目標を持って競技することが一番大事なことなので、ほっとしている」と安堵の表情を浮かべた。

 東京での五輪開催は56年ぶり2度目。日本での五輪は冬季五輪を合わせて4度目となる。7日の総会では開催都市に立候補していたイスタンブール、東京、マドリードの3都市が順番にプレゼンテーションを行った後、94人のIOC委員による投票を実施。東京は1回目の投票を1位通過。イスタンブールとの決選投票で過半数を集め、1964年大会以来の招致に成功した。

 8日の総会では残り1枠の競技をめぐってレスリング、野球・ソフトボール、スカッシュの3競技の団体がプレゼンテーション。委員95人による投票の結果、1回目の投票でレスリングが過半数の49票を獲得し、存続を決めた。
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 フォルテの展示も延長 五輪の東京開催が決まり、和歌山市内もお祝いムード。和歌山市本町のフォルテワジマ3階のわかやまスポーツ伝承館では、当初7日までの開催予定だった五輪関連の展示「東京五輪に沸き立つ日本 和歌山県の選手と東京五輪招致にかけた要人」の16日までの延長を決めた。

 東京オリンピックで活躍した県にゆかりのある7人の資料を紹介している。男子体操の早田卓次さん、女子バレーボールの宮本恵美子さん、自転車の福原広次さんらで、2つの金メダルや、オリンピック開会式に選手が着た赤のブレザーやユニホームなどを展示。東京秩父宮記念スポーツ博物館から借りた当時のポスターも並んでいる。

 同館では「当時を懐かしく思い出していただけるものばかり。小中高生にはメダルを間近に、日本代表のトップアスリートを目指そうと夢が膨らめば」と来場を呼び掛けている。

 無料。午前10時~午後7時(入場は6時半まで)問い合わせは同所(℡073・423・2215)。