高齢者に電話で注意 特殊詐欺撲滅へ和歌山県警

 振り込め詐欺など特殊詐欺を撲滅させようと、県警は17日から、高齢者世帯などに電話で注意喚起する「特殊詐欺対策コールセンター」の運用を開始する。センターは大阪市北区の㈱エヌ・ティ・ティマーケティングアクト関西支店に設置。4人の女性オペレーターが平日午前9時から午後5時半まで、警察が詐欺グループから押収した名簿などを基に電話で注意を促す。発信電話番号は「0120・899・110」。

 この夏、和歌山市や橋本市などで、医療費などの還付金名目の振り込め詐欺の電話が集中的に発生。県警はこれらに対応するため、瞬時にコールセンターと情報を共有し、狙われている地域にセンターからピンポイントで電話をかけ、具体的な手口を紹介することにより被害の未然防止を図る。

 相手が要請すればファクスでの啓発文書も送付する。また同ダイヤルからの受信にも対応する。

 計画では、開設期間終了の3月14日までに3万5000世帯への架電を目指す。事業費は、国の緊急雇用創出事業に採択され920万円。県警生活安全課は「特殊詐欺の多くは高齢者が狙われている。警察とコールセンターが連携を密にして、手口の傾向と対策に応じた注意喚起を行いたい」と話している。

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 13日は同支店で訓練が公開された。オペレーターらは、さまざまな手口に対応したマニュアルを読み上げ、業務開始に向け準備を進めていた。

 今回雇用されたスタッフの一人、土井裕子さん(49)は「私たちの電話により、犯人グループの魔の手から一人でも多く救いたいです」と意気込んでいた。

 昨年の県内振り込め詐欺と類似詐欺の被害金額は、過去最高額の4億6600万円(85件)に上っている。