改革の力結集し既得権打破を 首相の汚染水発言を追及へ

 2020年の夏季オリンピックが東京に決まりました。関係者の努力に敬意を表し、東京オリンピックを史上最高の大会にするため、力を合わせたいと思います。

 オリンピック精神とはフェアプレーの精神です。しかし、最終プレゼンテーションにおいて福島第一原発の状況は完全にコントロールできていると発言した安倍総理の発言は果たしてフェアだったのでしょうか? 東京電力の山下和彦フェローは9月13日、福島第1原発の汚染水漏れ問題について「今の状態はコントロールできているとは思わない」との認識を示しました。私たちは世界中で大きな疑念を持たれている汚染水問題について、日本への信頼を高めるためにも国会を開いて議論し、事実を明らかにすることが必要と訴え続けてきましたが、野党の要求は無視されました。しかし、十分な根拠なく完全にコントロールされていると言い切った首相発言については臨時国会において厳しく追及しなくてはなりません。

 さて、首相のこのような対応を許している原因は、ねじれ国会の解消と、その要因を作った野党側の一体感のなさにあると感じています。健全な政治を行うためには共有できる理念・政策を見出し、本当の改革を行うための政界再編が絶対に必要と考えています。

 ねじれ国会が一旦終了したことで、「スピード感のある政治」が実現できる可能性は生まれるでしょう。また、現政権が進める経済政策への期待も感じています。しかし、安倍総理が成長戦略を発表するたびに株価が下がり続けたように、市場はアベノミクスの成長戦略を評価していません。それは改革が生ぬるいからです。農業、医療、電力を成長産業にするには、健全な競争が機能するための新規参入を容易にする規制緩和を進めることが必要ですが、この分野に既得権を持つ団体に支持された自民党には絶対に不可能です。

 私たち日本維新の会は、通常国会においても与党の政策で正しい方向性と思うものには賛成、そうでないものには反対と、是々非々で臨んできましたが、この方針をさらに徹底させます。国民の未来を守る政策なのか、支援団体の利益を守る政策なのか、政府・与党に対して追求・提案を行うこと、野党の力を結集していつでも政権交代が可能な基盤を作ることが、今後の目標です。橋下徹共同代表は、党利党略は捨て、維新を解党させてでも力を結集させる旨の発言をしていますが、私もその基本姿勢に賛成です。ただ、共有できる理念・政策を見出すことが全ての基本です。民主党の改革勢力、みんなの党の改革勢力とともに、政策ごとに議論を重ね、その実現のための議論を通して信頼醸成を図っていきます。

 私はこの8月から日本維新の会の国際局長を務めています。外交安全保障分野の政権公約、そして政策実例の草案も、将来の改革勢力による連携の可能性を踏まえ私が書きました。日本だけが良ければいいと考える狭い国益追求ではなく、地球益、人類益に貢献できる意識を持って「尊敬される国」を目指すことこそ、本当の国益、そして安全保障にもつながると考えています。維新は「右寄り」政党と思っている方もいますが、右でも左でもなく真っ直ぐ前に進む改革政党であることが人々の期待であることを肝に銘じ、私たちの理念を内外に発信していきます。少子高齢化やエネルギー問題など、人類が未だ経験したことのない国内外の問題解決に貢献する意識を持った政策集団として力を高め、自民党には絶対できない真の改革をやり切る仲間の力を結集させていくことが次の大きな使命だと考えています。