秘密保護法案に「待った」 市民ら集会

 自民党などが今国会での成立を目指している特定秘密法案に反対する市民集会が23、26日、和歌山市内で開かれ、参加者らが廃案を求め声を上げた。

 26日には、和歌山弁護士会館(四番丁)で集会(同会主催)があり、85人が参加。会では、平成23年に民主党政権下に作成された現法案のたたき台とされる秘密保全法案の危険性を訴え結成した日弁連秘密保全法制対策本部事務局の太田健義次長(弁護士)が登壇し、「この法案は国民を守るためではなく政府の秘密を隠すための法案。問題だらけだ」と厳しく指摘した。

 太田弁護士は、問題視されている報道の自由への影響について「条文に取材の自由は加えられたが、明確な報道規定がないので、特定秘密情報を報道すると情報漏洩で罰せられる可能性がある」とし、「正当に得た内部告発情報を報道できないのはおかしい」と言及した。

 また、特定秘密のチェックを行う第三者機関設置を明言していないことや、特定秘密の内容が明らかにされないこと、逮捕された後の裁判でも何が法に抵触したのか明かされない可能性があるなど問題点を挙げた。


 23日は市民集会「ストップ!秘密保護法案」が勤労者総合センター(西汀丁)で開かれ、反対の声を上げた。会場満員の約140人が集まるなど、関心の高さがうかがえた。

 リレートークでは、歴史研究者、治安維持法犠牲者国家賠償要求同盟、憲法9条を守る会、反原発推進者がそれぞれの立場で発言し、「国民にとって重要な情報が隠される恐れがある」「歴史は国民の財産であり、公的情報は秘密であってはならない」「際限なく国民を犯罪者にしてててしまう治安維持法の再来だ」などと反対理由を次々に主張した。