電車内で痴漢逮捕 お手柄高校生に感謝状

 和歌山電鐵貴志川線の電車内で女子高校生のスカート内を撮影していた男を現行犯逮捕したとして、岩出署の亀位義之署長は24日、県立和歌山東高校3年生の加藤航君(18)=紀の川市桃山町在住=に感謝状を贈った。

 同署などによると加藤君は今月12日、下校時に乗っていた電車内で、同じシートの右側に座る男(32)が、向かいの席で寝ている女子生徒に不審な目を向けていることに気付いた。

 男が持っていたかばんから一眼レフカメラを取り出したのを確認した加藤君は、自宅のある駅では降りずに男を追跡。スカート内を撮影している確信を得て「撮ったやろ」と男の腕をつかみ、証拠を消されないようすぐにカメラを取り上げ、貴志駅で男を下車させ警察に通報した。

 高校ではレスリング部に所属し、力には自信があった加藤君は当時を振り返り、「見て見ぬフリはするな、と親に言われて育った。捕まえることに迷いはなかった」と話した。

 正義感からためらいなく行動した勇気と、証拠となるカメラをまず取り上げるなどの冷静な判断力には、調書を作成した担当者も驚いたという。

 加藤君は「高校卒業後は専門学校に進み警察官になりたい」と目標を語っている。