「白浜」ブランドを高め合う 伊豆の「白浜海岸」②
前号から、白浜町の「白良浜」とうり二つである下田市の「白浜海岸」について紹介している。「白浜」という地名は全国に複数あるが横のつながりなどはないのか。伊豆白浜観光協会を訪ねた。
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白浜海岸の「白浜大浜海水浴場」の南端に、伊豆白浜観光協会がある。砂浜やソテツの木とマッチした建物と、屋根に付いた看板が印象的だ。観光協会のスタッフの方に尋ねると以前は「白浜」という地名が付く全国の自治体や観光協会の関係者らが集まる催し(白浜サミット)が開かれ交流があった。現在、定期的な催しはないが、「白浜=きれいな砂浜」というイメージを発信し続けられるよう整備に尽力されているという。
白良浜と白浜中央海水浴場は共に環境省の「快水(かいすい)浴場百選」に選ばれている。年間利用者数に加え、水質や自然景観、環境への配慮や取り組み、安全性、利便性、海と人のかかわりが5段階で評価され選定。白浜つながりでいえば三重県の御座白浜海水浴場も百選の一つとなっている。和歌山県内では白良浜の他に、浪早ビーチ(和歌山市)、片男波海水浴場(同)、橋杭海水浴場(串本町)、那智海水浴場(那智勝浦町)が選ばれており、片男波海水浴場と那智海水浴場は特に優れた12箇所の海水浴場にランクインし特選に選定されている。
「白浜」という地名のつながりから、同じブランド名を持つ地域同士が互いに意識し合いその価値を維持・向上させようという強い思いに気付かされると同時に、あらためて和歌山の海の魅力を強く感じさせられた。白良浜の海開きは間もなく。和歌山県は本州最速で夏のシーズンを迎える。
(次田尚弘/静岡)