西レギュラーシーズン優勝! トライアンズ
男子プロバスケ、NBLウエストカンファレンスの和歌山トライアンズは27日、和歌山市梅原のノーリツアリーナ和歌山で優勝を懸け、アイシンシーホース三河と対戦し、延長戦までもつれ込む一進一退のゲームをトライアンズが2点差で制した。創部1年目でレギュラーシーズン優勝を手にした。
和歌山88(26―12、15―20、22―17、11―25、14―12)86三 河
優勝の瞬間を目にしようと会場は、2000人を超えるファンで埋め尽くされた。前日を劇的勝利で飾り同率1位で臨んだトライアンズは、ゲームスタートから勢い付き、川村卓也のアシストからマイケル・パーカーのシュートが決まり波に乗った。その後も持ち味の速いパス回しでアイシンをほんろうし、試合を優位に進めた。
後半は、各選手に疲れが見え始めると、アイシンの速攻や強力なインサイドの攻撃を抑え切れずに同点に追い付かれてゲームが終了。延長戦では、アイシンのペースに飲み込まれそうになりながらも踏ん張ったのが、木下博之だった。緊迫した状況でも冷静にゲームコントロールし、自身も内外からシュートを決める5得点の活躍。終了間際には、痛み止めを打って出場した青野文彦からのアシストを受けた川村が「良いタッチで打てた」と表現した、試合を決定づける3をリングに沈め1ゴール差で激戦を物にした。
今後のトライアンズは5月10、11日、愛知県体育館でウエスト2、3位の勝者とのプレーオフ・カンファレンス・ファイナルに臨み、勝利すれば、イースト勝者と両リーグ1位を懸けた一戦に挑む。
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MVPは木下、川村
試合後、MVPインタビューで木下博は「昨シーズンチャンピオンのアイシンに挑戦するつもりで挑みました。プレーオフもチャレンジの気持ちを忘れずに戦います」と意気込んだ。川村は「レギュラーシーズン1位になれたからには、ファイナルでも優勝します」とファンに活躍を約束した。ジェリコ・パブリセビッチヘッドコーチは「レギュラーシーズンで、アイシンを超えることは、どのチームの夢でもありました。選手たちの最大の努力とファンの応援のおかげです」と優勝を喜んだ。
ゲームコントロールと得点力で勝利に大きく貢献した木下博選手
この日は試合後、今季で引退を表明している永山誠主将の引退セレモニーもあり、永山主将は「和歌山では1シーズンだけでしたが、パナソニックの13年間と同じ思い入れがある時間になりました」とファンやチームの仲間、家族への感謝の気持ちを言葉で表した。
ホームゲーム最後のファンと交流をした永山選手
ファン「プレーオフも優勝して!」
ウエスト優勝の瞬間を会場でチームと一緒に味わったファンらも大興奮。今季5回会場に足を運んだという和歌山市岩橋の会社員、岡野哲治さん(39)は「面白すぎる試合に、声がかれるほど声援を送りました。優勝してうれしかった」、トライアンズファン歴6年という兵庫県から応援に駆け付けた会社員の女性(32)は「今日みたいな意地を見せる試合で、ここまできたらファイナルも優勝してほしい」とプレーオフでの活躍を願った。
優勝に総立ちのファン