海南市が新地震・津波ハザードマップ作製

 近い将来発生が予想されている南海トラフ地震に備え海南市は、新しい地震・津波ハザードマップを作製した。東日本大震災後に県が示した被害の新想定に基づき編集。津波マップは以前からの広域版だけでなく新たに地域版を作り、「家庭や地域、職場で話し合って災害に備えてください」と呼び掛けている。

 南海トラフ巨大地震と東海・東南海・南海3連動地震で県が作成した「津波浸水想定図」と「震度・液状化危険度予測図」を基に、A4判7㌻の冊子に地震と津波の各マップをセット。冊子に「南海トラフ地震について」「地震が起きたらどうするか」「津波の基礎知識」「津波避難の心得」を記している。

 想定されている地震の規模を表すマグニチュード(M)は南海トラフ巨大地震で9・1、東海・東南海・南海3連動地震で8・7。南海トラフ巨大地震の1㍍津波到達時間は海南地区が48分、下津地区が39分、最大津波高は8㍍となっている。

 津波マップは海南、下津各地区でA1判表裏。詳細な浸水域や浸水深を色分けし、津波避難場所と緊急避難ビルの安全レベルを「☆」の数で示している。それぞれ南海トラフ巨大地震を大きく、東海・東南海・南海3連動地震を小さく表示。黒江・船尾、日方、内海、大野、冷水、亀川、塩津・戸坂、大東、大崎、下津の10地区については地域別のA2判も作った。地震マップはA2判裏表。震度と液状化危険度を表示している。

 地震・津波ハザードマップは3万部を作製し、市内全戸へ配布。

 担当課は「話し合いながら津波避難場所や避難経路を確認し、絆を深めて津波から逃げてください。身近なところに張って活用していただきたい」と話している。