17日、加太で「えび祭り」 若者100人神輿担ぐ

 和歌山市加太の加太春日神社(井関摩美子宮司)で17日、地域住民の無病息災や大漁を祈る大祭「えび祭り」が行われる。かつて加太は伊勢エビの水揚げが盛んで、同神社では伊勢エビ漁の解禁日に大祭が行われていた。少子高齢化による神輿の担ぎ手不足などで昨年は行われなかったが、ことしは加太出身の若者100人以上が神輿の担ぎ手として集まる。

 同神社本殿は昭和6年に国の重要文化財に指定。木鼻や蟇股(かえるまた)などに豪華な彫刻があり、桃山時代の建築様式の特徴を表している。蟇股には伊勢エビや貝などが彫られ、当時の加太の様子がうかがえる。

 大祭は慶長2年(1597年)から続いているとされ、当初は獅子舞や大漁幟を立てて地域を練り歩いていたが、電線が張り出した頃に祭りがいったん途絶えた。初代宮司の三宅庄太郎が神輿を納め、大正12年から現在の形に近い神輿渡御が始まった。

 近年は人手不足などで平成16年からは毎年恒例ではなくなった。昨年は祭りを若者に継承するため、運営方法を考える年に。そして神輿を担ぐ加太出身の人を公募し、担ぎ手103人が県内外から集まる。

 祭りでは神輿(約1㌧)を4本の棒で担ぎ「千歳楽(せんざいらく)、万歳楽(ばんざいらく)」と発声しながら、前後に神輿を揺らしながら加太を練り歩く。

 当日は午前8時50分から神事が行われ、9時20分に神輿出し。10時25分に宝太鼓の合図で神輿が神社を出発し、常行寺、大谷川橋南詰め、新出浜御旅所などを通過する。

 獅子舞、子ども鬼舞、女性神輿、薙刀(なぎなた)なども行われる予定で、井関宮司は「『動』の祭り。ぜひ楽しみに来てください」と話している。

 問い合わせは同神社(℡073・459・0368)または(℡073・459・2262)まで。