和工100周年 池田と甲子園再現の記念試合

 創立100周年を迎えた県立和歌山工業高校(和歌山市西浜)の硬式野球部は17日、徳島県立池田高校(徳島県三好市)硬式野球部を招き、同市の県営紀三井寺球場で記念試合を行った。始球式を務めたのは昭和49年に聖地甲子園で対戦した2人。往年の名場面の再現に、駆け付けた約1500人の観客から大きな歓声が上がった。

 始球式を務めたのは、投手が和工OBので当時のエースだった鎌田有規(くにのり)さん(57)、打者が池田OBで当時主将で4番打者を務めた森本(旧姓上浦)秀明さん(57)。鎌田さんがストライクのボールを投げると森本さんは豪快なスイングをみせ、スタンドから大きな拍手が送られた。

 40年ぶりの対戦に鎌田さんは「(当時の池田は)11人しかいなかったので正直勝てると思った。しかし、池田は甲子園で強くなるチーム。素晴らしいチームだった」、森本さんは「和工は優勝候補だったし、自分達は無心無欲で向かっていたことを覚えている。(鎌田さんについては)とにかく球が速くて打てる気がしなかった。その後の四国遠征で鎌田さんに2安打完封されたという記憶もある」とたたえ合った。

 試合は、和工が3回裏、2死から4番鎌田知晃の適時2塁打などで2点を先制。池田は7回表に1点を返したが、エース中芝優真の走者を背負うごとに三振を奪う力投で、そのまま2―1で逃げ切った。和工の楠川剛史監督(36)は「2塁打での先制は40年前の池田と同じ。縁を感じる」。岡田文雄部長(59)は「選手にとって大きな自信になったと思う」と試合を振り返り、鎌田さんは「和工はことしは強い。ぜひ甲子園に連れて行ってほしい」と後輩にエールを送った。