女性白バイ隊員活躍 オレンジレディーズ

 悲惨な交通事故をなくすことを使命として重量300㌔の白バイを男性隊員と同じように操る女性たちがいる。県警交通機動隊の「オレンジレディーズ」の隊員2人だ。任務は交通パトロールの他、子どもや高齢者などを対象にした交通安全教室の実施など幅広い。2人の上司に当たる東谷潤小隊長(38)は「子どもたちから交通安全の大切さを家族や祖父母などに伝えてもらうためにも、女性隊員の活動は重要です」と活躍に期待する。

 同隊は隊長以下24人。そのうち、女性隊員は、隊員歴4年目の金内恵美巡査長と2年目の楠本記子巡査のみ。会話の中で時折見せる女性らしい柔らかな笑顔からは、男性でも扱いが難しい大型バイクを巧みに操る姿はなかなか想像できない。

 訓練や任務などに男性女性の区別はない。しかし、体格や力の差はあるため「それを弱みには出せないので、訓練で補っている」と2人はきっぱり言う。女性隊員ならではの出来事では、柔らかい接し方が相手にも伝わるのか、交通違反を取り締まった違反者から、「女性の白バイさんもいるんやね」「大変やろうけど頑張ってね」と励ましの声をもらうことも多々あるという。

 交通安全教室は年間約50回行う。派遣される範囲は県内全域と広く、依頼があればどこにでも行く。23日には、和歌山市西の和歌山交通公園を訪れた小学生らに、白バイや隊員の仕事に関心を持ってもらうと同時に、交通安全意識の高揚を呼び掛けた。

 金内巡査長は「子どもたちが、覚えていてくれて、声を掛けられることもあります。交通安全の心をもっと広めていきます」、楠本巡査は「子どもたちの心に響く交通安全指導で、自分たちの命を大切にしてもらうことを感じてもらいたいです」と話し、県民の安全のために今後も任務に励む。