海南、延長の末惜敗 高校野球

 第96回全国高校野球選手権和歌山大会は大会4日目の14日、和歌山市毛見の県営紀三井寺球場で2回戦3試合があり、第1試合で海南が箕島と対戦。延長戦に突入した注目の好カードは、海南が5―7で惜敗。春夏続けての甲子園はかなわなかった。

箕島 1 0 1 1 1 0 0 1 0 0 2 7
海南 3 1 1 0 0 0 0 0 0 0 0 5

(延長11回)
 〔箕〕中村良―中尾〔海〕岡本、神崎、武田―矢須▽本塁打=太田(箕)岡本、林(海)▽2塁打=上野山、福嶋2(箕)矢須(海)

 1点を追う海南は1回裏、2死1、3塁とし、岡本の左本塁打で逆転に成功。続く2回には林の左中間本塁打で1点を加点したが、4回以降は1点が遠かった。投げては3投手が継投。走者を背負う苦しい展開となり、序盤からのリードを守りきれなかった。
    ◇
 海南のエース・岡本真幸は5回途中にして、投球数がすでに100球を超えていた。決して本調子ではない。その中で試合をつくり、2番手・神崎にマウンドを託した。

 春の選抜大会前にけがをして以降、もどかしい時間を過ごした。ボールを投げ始めたのは5月の終わり。実戦復帰は大会約1カ月前だった。

 1回裏の攻撃。打撃面でチームに貢献することを考えて入った打席で、逆転の本塁打。エースの一振りでチームは盛り上がった。

 6回を118球。7安打3失点は納得のいく数字ではない。敗退が決まり、涙があふれ出した。「けがの間は本当に苦しかった。仲間や両親が支えになった。どうしても勝ちたかった。本当に悔しい」。言葉を詰まらせながら振り返った。