上島さんソプラノ公演 和歌山市で
和歌山市出身で、現在は米国ニューヨークを拠点に活動するソプラノ歌手、上島幸恵さん(30)のリサイタルが8月8日午後7時から、和歌山市民会館小ホールで開かれる。ニューヨークの音楽仲間を率いての凱旋公演。18世紀のバロック音楽をテーマにした演奏会で、上島さんは「美しくピュアな音が求められるバロック音楽を、みんなで表現したい」と話している。
上島さんは県立星林高校出身。短期留学先の米国で合唱団に加わったことから本格的に音楽の世界へ。高校卒業後に渡米し、ニューヨーク市立大学のアーロン・コープランド音楽院で演奏科(声楽専攻)修士号を取得。現在は同校の研究科に在籍し、この秋に修了予定。昨年には、多分野で選考される「東京国際芸術協会新人オーディション」で優秀新人賞を受賞している。
和歌山での公演は3年ぶり3度目。カウンターテナーに、上島さんと同じ音楽院で学ぶ豊田将史さんを迎える。その他、国際的に活躍するバイオリン、ビオラ、チェロ、コントラバス、チェンバロ奏者が出演する。
プログラムは、ペルゴレーシの宗教曲やヘンデルのオペラなど。バロック音楽を代表するヘンデルの曲は、ある特定の歌手のために作った超絶技巧の曲が多いため特に難しく、上島さんにとっても挑戦の意味合いが大きいそう。
上島さんの持ち味はソプラノの高い音域だけでなく、低音から高音まで均等に出せる、厚みのある歌声。「発声の仕方は日本と少し違うかもしれません。卒業を前にした大きな節目に、このような機会をいただけるのはありがたいこと。これからも演奏を聴いてくださる方々に、平和な時間を提供していければ」と笑顔で話している。一般3000円、学生(高校生以下)1000円。問い合わせは同館(℡073・432・1212)。メール「sachie.ueshima@gmail.com」。