畑中氏が立候補表明 11月の知事選

 任期満了に伴う県知事選(11月13日告示、30日投開票)に、「市民オンブズマンわかやま」事務局長の畑中正好氏(62)=無所属、共産党推薦=が18日、立候補の意思を表明した。同党県委員会などでつくる「ゆたかで住みよい和歌山県をつくる会」が擁立した。和歌山市内で会見した畑中氏は「安倍政権の暴走にストップを求める声を上げない、いまの仁坂県政を変え、県民の命と暮らしを守りたい」と、出馬への決意を述べた。

 会見で、同会の泉敏孝・筆頭代表委員は「安倍政権は憲法を壊し、日本を戦争する国に変えようとしている。国政に追随し、自民党政治そのものに成り下がっている仁坂県政に真っ正面から立ち向かい、憲法が生きる県政をつくることを目指す」と擁立の理由を述べた。

 畑中氏は田辺市の扇ヶ浜で生まれ、貧しい家庭で育ったという。中学生の頃から新聞配達で家計を助け、中学卒業後は自動車の整備士に。同党の故・野間友一衆院議員が創立した法律事務所(現・和歌山合同法律事務所)に22歳の時に入所し、現在、事務局長を務めている。同市天神崎在住。

 畑中氏は貧困の経験から「社会的に弱い人たちの気持ちは自分のことのように分かる」とし、市民オンブズマンでの活動を上げて「不正を憎む気持ちは人一倍強い」とアピール。「特定秘密保護法や集団的自衛権については廃止や撤回を求める立場に立って、安倍首相は頼りになると思っている皆さんに、国内で血を流すことになっても本当にいいのか、これにストップと言わない県政でいいのかと問い掛けたい」と意気込みを語った。

 知事選には現職・仁坂吉伸氏(63)が3選を目指して出馬表明し、自民・公明両党の推薦を求める考えを示している。