大学と地域をマッチング 県新制度

 都市部の大学と県内市町村の連携を促進しようと、県は「大学のふるさと」制度を新設した。県が大学訪問や市町村の現地調査を行い、最適な相手をマッチング。学生の育成、研究・実践、社会貢献の場を大学に提供するとともに、大学の知力や人的パワーを地域活性化に生かす。大学と市町村のマッチング支援制度は全都道府県で初めてという。

 仁坂吉伸知事が19日の定例会見で発表した。

 過疎対策課によると、県内では摂南大学(大阪府寝屋川市)とすさみ町が平成21年から親密に交流(22年に包括協定締結)。学生が「イノブータン王国建国祭」へのボランティア参加、廃小学校を活用した都市部と地元小学生・高齢者の交流キャンプ、途絶えていた「桂松祭」の復活などを企画し、地域活性化に貢献している。

 そういった取り組みを他地域にも積極的に広げていこうと制度を設け、取り組んでいくことになった。

 県は大学と地域をマッチングさせた後も、交流計画の策定、連携協定の調印、活動内容の広報など、連携を総合的に支援し、継続的な交流を推進していく。

 仁坂知事は「学生にとっては紙の上での勉強が、実践的なフィールドワークをすることで生きた知識になるし、地域にとっても学生が来てくれるのはいいこと。第1号はできるだけ早くやりたい」。同課では「制度名は『学生にとって第二のふるさとになりたい』と名付けた。大学と地域が交流するきっかけをつくっていきたい」と話している。