浅井さん隊員50年 県赤十字救護隊
日赤和歌山県支部の救援活動を支える、県赤十字特別救護隊(谷晶則隊長)は今月、結成50周年を迎える。発足時から隊員として活動する和歌山市在住の同隊和歌山分隊員、浅井章寛(ふみひろ)さん(74)は「県支部の救護班の医師や看護師が、災害現場で患者の治療に専念できる環境を整えることが隊員の役目。みんながあっての救護隊です」と感慨深く話す。
救護隊は昭和39年9月29日、アマチュア無線の愛好家9人によって、前身の県無線赤十字奉仕団として発足。災害現場と支部を非常無線で結ぶなどの奉仕活動を展開した。同45年には、災害現場から被災状況を伝える無線通信の確保の他、車両配備、救援物資の保管、テント張りなど支援活動の幅を広げ、現在の救護隊へと改称。現在は8分隊で組織し、92人が在籍する。
和歌山分隊(水流徹浩分隊長)は17人が在籍。高校教諭だった浅井さんは無線局長、同分隊長を経て、平成17年に水流(つる)さん(48)に分隊長を引き継いだ。その後も分隊員として活動を続け、後進の育成にも尽力している。最近では東日本大震災での活動が記憶に新しい。和歌山分隊は震災のあったその日、すぐに隊員を召集し、夜には被災地に入った。無線を県支部などにつなぎ、被災状況をいち早く伝えた。
谷隊長(60)は「浅井さんには教えていただくことが多い」、水流分隊長は「これからも浅井さんのサポート、見守り、アドバイスをいただきたい」と話し、発足当初から唯一人残る浅井さんの存在は大きい。
発足50周年を迎え、浅井さんは「県支部との連携強化など、今後起こるだろう南海トラフ大地震に備えていかなければならない」と活動にさらなる意欲を見せている。
今月21日には、和歌山市のルミエール華月殿で、発足50周年を記念する式典が行われる。