労働局が和大で講義 全国初の協定
和歌山大学経済学部と和歌山労働局は9月29日、「労働や雇用における教育推進のための連携・協力」に関する協定を結んだ。同局による寄付講義が開講される内容で、労働局が大学と体系的な講義を盛り込んだ連携協定を結ぶのは全国初。同大も省庁の機関との協定締結は初めて。
協定により、10月から来年1月まで、同局職員が労働や雇用に関する講義「労働行政実務」を15回にわたって実施する。学生たちは社会人となり働き始める前に、労働に関するより実践的な知識の習得を目指す。
約10人の局員が交替で講師を務め、若者を取り巻く雇用状況、働く女性の現状や雇用保険制度などの幅広い内容を取り扱う。同大ではこれまで、同局の職員を講師に招いた例はあったが、正式に科目を設置して講義を行うのは初めて。
協定の調印式は29日に同大で執り行われ、吉村典久経済学部長(46)と同局の楪葉(ゆずりは)伸一局長(56)が協定書に署名し、握手を交わした。
吉村学部長は「実務と理論の架け橋となる講義をしていただけることは、学生や教員にとってありがたい。女性の労働などについても、学生の認識が深まれば」と期待した。
楪葉局長は「大学卒業後3年以内の離職率も依然高く『あらかじめ、これだけは知っておいた方がよい』という制度や実例を伝えたい。全国初で注目される取り組みとなるので、こうした動きが増えることを願う」と話していた。
同大生であれば、経済学部以外の学生も受講可能。来年度以降の講義の継続も検討している。