プロ俳優が沙也可の朗読劇 川永小
和歌山市楠本の川永小学校(楠見旬平校長)で20日、雑賀衆ゆかりの「沙也可」をテーマにした朗読劇の公演があり、同校6年生約60人が俳優陣の迫力ある劇を鑑賞した。
同校卒業生で、東京の脚本家・演出家の平松豊司さん(51)率いる「平松組」の7人が来校。平松さんは、おととしから毎年母校を訪れ、芝居や脚本のワークショップを開いている。
今回は、平松さんが「雑賀衆・沙也可で街おこしの会」(辻健会長)発行の小冊子を目にしたことがきっかけとなり、ぜひ子どもたちに沙也可の物語を伝えたいとセミフィクションの作品「沙也可の見た空」に仕上げた。
朗読劇では、沙也可と朝鮮の人々のふれあいや国境を越えた人間愛が描かれ、ピアノやピアニカ、さまざまなパーカッション、歌も効果的に盛り込まれた。児童らは声で演じ分ける朗読劇の世界観に引き込まれるように見入っていた。
平松さんは「自分が小学生の頃、生の芝居にふれる機会はなかった。この中から将来役者になりたい、という子が出てきてくれればうれしい」と話し、歴史が大好きという岸田悠佑君(12)は「韓国の歴史をもっと勉強したい。朗読劇は初めてだったけど、迫力があった」、政ケ谷恒暉君(11)は「本当にその場所にいるみたいだった」と感動の様子だった。