房総半島の「白浜」 共通項活かして連携を
前号では三重県志摩市にある「御座(ござ)白浜海水浴場」について取り上げた。静岡県下田市の「伊豆白浜」など、「白浜」という地名が全国各地に存在することは以前からふれてきたが、千葉県にも「白浜」として地域で親しまれているところがある。今週は、千葉県南房総市の白浜エリアについて紹介したい。
千葉県南房総市は房総半島の最南端に位置する。2006年の市町村合併前は、安房(あわ)郡白浜町があり、今もその地域は「白浜」と呼ばれている。温暖で霜が降りることがない地域で、菜の花を筆頭に花の楽園としても知られている。
白浜エリアは首都圏からの観光客も多い。旧白浜町内にある野島崎(のじまさき)灯台は国の登録有形文化財に登録された国内で2番目に古い灯台。周辺には「白浜温泉」として温泉施設やリゾートホテルが建ち並び、その姿はまるで和歌山の白浜と似ている。
また、エリア内には3カ所の海水浴場がありキャンプ場を併設したところもある。灯台近くで飲食店を営む男性は「夏になると色とりどりのパラソルやテントが並ぶ。南方に伊豆大島が一望できるのも魅力です」と話していた。
これまで静岡(伊豆)・三重(志摩)・千葉(房総)の「白浜」を紹介してきたが、共通して言えることは大都市圏から少し足を延ばしたリゾート地や保養地として親しまれていること。関東・東海・関西における、いわゆる「奥座敷」として名高い「白浜ブランド」が、横の連携により互いに誘客し合うことで、さらなる価値を見出せるのではないだろうか。
(次田尚弘/千葉)