共通の地名で深い連携 「全国勝浦ネットワーク」
前号では千葉県南房総市の旧白浜町を取り上げた。「白浜」の他にも房総半島には「勝浦」など、和歌山と共通する地名があり、実際に那智勝浦町との交流も盛んだ。今週は、千葉県勝浦市と、「勝浦」をキーワードにした交流の取り組みを紹介したい。
千葉県勝浦市は房総半島の南東部(外房)に位置する人口約2万人の市。漁業が盛んで、市内にある勝浦漁港は国内有数のカツオの水揚げ港だ。那智勝浦町とは姉妹都市の関係にある。
平成13年「勝浦」の地名を持つ、千葉県勝浦市、徳島県勝浦郡勝浦町、和歌山県東牟婁郡那智勝浦町の3市町が協力し、姉妹都市としての友好的な連携や災害時の相互応援協定を目的とした「全国勝浦ネットワーク」を発足したことに由来する。発足以来、3市町が持ち回りで「全国勝浦ネットワーク会議」を開催し、毎年、市長・町長が欠かさず出席している。
交流の深さがうかがえるのが、徳島県勝浦町で行われている「ビッグひな祭り」が、ネットワークで結ばれた千葉県勝浦市と那智勝浦町に〝のれん分け〟され、それぞれ、「かつうらビッグひな祭り(勝浦市)」、「南紀勝浦ひなめぐり(那智勝浦町)」として同時期に開催されている点。
「南紀勝浦ひなめぐり」は平成23年の紀伊半島大水害からの復興を目指そうと平成24年から始まった。徳島県勝浦町や千葉県勝浦市からひな人形の提供を受け、那智の滝(落差133㍍)にちなみ1万3千3百体の人形を展示。「勝浦」でつながる3市町の結び付きはますます強くなっている。 (次田尚弘/千葉)