馬と一緒に日本縦断3500㌔ 山川さん

 2頭の馬と一緒に北海道から沖縄まで、総距離3500㌔の日本縦断の旅に挑戦している和歌山市出身の北海道大学生、山川晃平さん(24)が先週、ふるさと和歌山入り。24日には「紀州道産子会」の会長を務める、和歌浦天満宮(同市和歌浦西)の小板政男宮司(75)を訪ね、「馬との旅は大変だが、ぜひゴールして故郷に錦を飾って」と激励を受けた。

 山川さんは獣医学部6年生。夢だった馬での日本縦断を決意し、ことし4月に休学した。

 6月には札幌から稚内の700㌔を踏破。8月30日には沖縄の与那国島を目指して再び札幌を出発し、岩手、長野、愛知など11県を経て、スタートから101日目、今月16日に和歌山に入った。

 共に旅をするのは、大学の研究で使われていた北海道和種馬(道産子)の兄弟、「道柳」(愛称みっちー、15)と「道雪」(ゆっきー、15)。海路でフェリーを使う以外は、馬を引いたり、馬に乗ったりしながら一日に約30㌔ずつ、1800㌔の道のりを進んできた。

 馬は草を食べるため餌代がほとんどかからないが、糞の処理が大変という。夜は乗馬クラブなどを訪問したり、テントで野宿することも。子どもたちとのふれあいなど、各地でうれしい思い出もできた。

 山川さんによると、長野県の「木曽馬」など、日本各地に昔からいる「在来馬」が絶滅の危機にひんしているという。「農耕馬の需要がなくなり、保存会が立ち上がっている。旅を通して、そういう現状を広く知ってもらいたい」と話している。

 旅は今後、来年1月5日に和歌山市を出発し、フェリーで徳島県へ。与那国島には2月下旬のゴールを予定している。旅の様子は山川さんのブログ(http://horsejourney.blog.fc2.com/)で。

左から小板宮司、ゆっきー、山川さん、みっちー(和歌浦天満宮前で)

左から小板宮司、ゆっきー、山川さん、みっちー(和歌浦天満宮前で)