門松飾り新年祝う 人気高まる「大名庭園」
新年を迎え、まちなかの正月飾りを見るとことしも一年頑張ろうという気持ちがさらに湧いてくる。正月飾りで代表的な「門松」は、この時季、家の門に立てられる松や竹を使ったいわゆる松飾りであるが、門松の中心に立つ竹の先端部が斜めに切られていることが多い。
この切り方を「そぎ」というが、一説には、これは徳川家康が始めたもので、家康が大敗した「三方ヶ原の戦い(1572)」の対戦相手である武田信玄に対し「次回は斬るぞ」という思いを込めたのが始まりという。武家の文化が現代に息づく門松は、同じく現代に息づく大名庭園とよく似合う。
外国からの旅行者が増える今、大名庭園が注目されている。中でも、紀州と関係の深い尾張(名古屋市)にある「徳川園」は、平成16年にリニューアルされ名古屋城と共に観光名所の一つとして定着し、市民のみならず多くの観光客が訪れている。和歌山市の養翠園や和歌山城西之丸庭園とも類似する名古屋市の「徳川園」を紹介したい。
「徳川園」は徳川御三家筆頭の尾張藩二代藩主、徳川光友が元禄8年(1695)に造営。当時は約13万坪もの広さを誇ったという。光友の没後は尾張藩家老に譲られ、明治22年(1889)からは尾張徳川家の邸宅であったが昭和6年(1931)に名古屋市へ寄贈。その後、空襲に見舞われ園内の大部分を焼失してからは一般的な公園として利用されてきたが、平成16年秋に改修が行われた。次週は園内を紹介したい。
(次田尚弘/愛知)