【AR】工業高生がプレゼン 産業支える人材に

 県内5校の工業高校生が一堂に会し、取り組んできた課題や研究の成果を発表する「わかやま産業を支える人づくりプロジェクト」研究発表大会が15日、和歌山市民会館で開かれた。生徒、教員、ものづくり企業の関係者ら約600人が参加し、22グループがポスターセッション形式で他校の生徒や来場者にプレゼンテーションした。

 プロジェクトは県が平成24年度に開始。工業高校と地元企業が連携し、高校での講話や実習、企業現場でのインターンシップや工場見学など、さまざまな取り組みを通して、将来の県産業を支える人材育成に取り組んでいる。大会は、昨年度の御坊市会場に続いて2回目。対話型の発表を通して、社会人基礎力やプレゼン能力の向上を図る。

 企業関係者ら15人の審査員が会場を回り、各発表の着眼点や分析力、発表態度などを審査した。最優秀賞に選ばれた和歌山工業の岡本悠河君(2年)らの発表「七曲市場における設計提案」は、七曲市場の活性化に向けて託児所、高齢者の共同住宅、シェアキッチン、公園を設計する計画について、市場の模型を使いながら説明。岡本君は「声の大きさや言葉使い、どうしてこれを作ったか分かりやすく説明できるように気を付けた」と話していた。

 県商工観光労働部の藤本陽司部長は「みんなで一つの物を作り上げる、またそれをプレゼンするきっかけになった」、県労働政策課の田中一寿課長は「日頃の高校での指導から、プレゼンに慣れてきている子が増えていると感じた」と話した。

 その他の結果は次の通り。
 【優秀賞】棒テンプ式機械時計の製作(田辺工業)、ロケットストーブについての研究(箕島)

 【審査員特別賞】トリケラトプスの作製(紀央館)、自作曲によるパソコンDTM作成および動画・音声コンテンツ作成(紀北工業)、接地抵抗基本特性の研究(田辺工業)、国体カウントダウン表示装置の製作(田辺工業)

七曲市場の活性化策をプレゼンする生徒たち

七曲市場の活性化策をプレゼンする生徒たち