県をハーブの産地に 今木さんの奮闘

 和歌山をハーブの産地にしようと、農家仲間に呼び掛け、県産のハーブ普及に力を注いでいる人がいる。紀の川市北長田の農業、今木史典さん(53)は、2012年に脱サラし、農園「いまきファーム」を立ち上げ、ハーブと向き合う日々を過ごしている。

 今木さんは中京大学を卒業後、進学塾の講師、市民生協での勤務を経験。昔から料理が趣味で、釜を使った本格的なピザやケーキを作っていた。約20年前から料理に使用するためのハーブを自家栽培し、農家として本格的にハーブを育てたいと強く思うようになった。定年後の生活のことを考え、仕事を辞し、農業を本職に。その後すぐ県農業大学校に学び、現在はハーブとトマトを栽培している。

 ハーブは、サラダなどに使用するアップルミントやスペアミント、全国でも珍しいナスタチウムなど年間で15種類を栽培している。一年を通じて出荷するため、露地とハウスの両方で栽培し、季節や天候に対応。畝(うね)を高くし、トンネルに灌水チューブを潜らせて灌水を行っている。種はヨーロッパから輸入したものを使うこだわりで、農薬の使用を控え、有機肥料での育成に取り組んでいる。

 商品は、大阪市中央卸売市場青果仲卸店に出荷している。昨年のクリスマス前には注文が殺到したという。商品は楽天彩り屋(http://www.rakuten.co.jp/irodoriya/)でインターネット販売している。

 産地化を目指す今木さんは、知り合いの農家にハーブの栽培方法を伝授しながら、仲間と一緒に目標に向かって奮闘する日々を送っている。「食卓にハーブがあるだけで彩りが出る。仲間を増やし、産地化を実現させたい」と意気込みを話している。

 問い合わせなどは今木さん(メールimaki@gaia.eonet.ne.jp)まで。

ハーブの産地化に取り組む今木さん

ハーブの産地化に取り組む今木さん